フロイデンベルク

フロイデンベルクをご存じですか?
フロイデンベルク(Freudenberg)はドイツの北西部・ドルトムントとフランクフルトの間に位置する山あいの町です。
この町の旧市街には、黒い柱と梁に白い土壁、グレーのスレートの三角屋根という、モノトーンで統一された伝統的な木造住宅群があります。

002_フロイデンベルクのツアーパンフ現地のリーフレットより フロイデンベルク旧市街の鳥瞰

フロイデンベルクフロイデンベルクの町の鳥瞰図

フロイデンベルク

豊かな自然に囲まれた、静かで美しいこの町。
石畳を歩くと中世にタイムスリップしたかのようです。

このフロイデンベルクの歴史は、14世紀後半にお城が建てられ領民が移住してきたことから始まります。
しかし、1540年の大火で城の大部分と家々が焼失しました。
1666年に起きた大火で城は焼失し、その後再建されませんでした。

フロイデンベルク

現在、城はありませんが、昔の絵に城の姿を見ることができます。
お城の絵を合成した風景写真を現地案内の方が見せてくれました。

フロイデンベルク

唯一残っている城の部分は、高台にある教会の塔です。
この教会の塔は、元はお城の牢獄として使われていましたが、今は改築され鐘塔となっています。

1666年の大火の後、町の再建が行われます。

フロイデンベルクの住宅はハーフティンバー様式です。
ハーフティンバー様式とは西洋木造建築の技法の一つで、外側の柱・梁・斜材等の構造材が外部に露出し、その軸組の間を煉瓦・土・石で充填したもので、軸組が外壁の装飾も兼ねています。
12世紀以降、イギリス、ドイツ、フランス等で盛んに行われていました。

フロイデンベルクの独特の黒いフレームのデザインは、木材が不足する中、手に入りやすい短い曲がった木材でも利用するしかなかったことによるとのこと。

城の燃え残った木材も住宅再建に利用されました。
城の部材を使った住宅の梁には文字の痕跡が今も見られます。

フロイデンベルク

これはフロイデンベルクの建物の壁の見本です。
植物が編み込まれた下地に土が塗られており、日本建築の土壁の竹小舞と似ています。
(これは町のミュージアムで見られます。)


では、町の中を歩いてみましょう。

フロイデンベルク

町の入口にある元ベーカリーの建物がツーリストインフォメーションになっています。
ツーリストインフォメーションのすぐ裏の丘にもあがってみて下さい。
丘の上は公園で、フロイデンベルクのまちなみを見渡せる絶景ポイントです。

フロイデンベルク丘の上の公園から見た、フロイデンベルク旧市街の全景。

フロイデンベルク

ツーリストインフォメーションの横にフロイデンベルクで一番古い住宅があります。
これは1666年の大火で唯一燃えずに残った建物です。

 

フロイデンベルク

フロイデンベルクでは景観を守るために色彩が厳しく規制されており、スレートを使った屋根と壁、黒い塗装を施した木の柱・梁、白い土壁、緑の鎧戸、で統一されています。
厳しい色彩の規制はありますが、木組や窓、スレート張のデザインが一軒一軒異なります。
豊かなバリエーションをご覧下さい。

フロイデンベルク

フロイデンベルク

フロイデンベルク

フロイデンベルク

フロイデンベルク

1棟だけ、ドイツ国旗の色で梁を塗装した建物があります。
まるで色彩規制の例の様でした。

フロイデンベルク

これは町のミュージアム。
フロイデンベルクで製作された有名な時計職人の壁掛時計や昔の生活道具などが展示されています。

フロイデンベルク

HOTEL ZUR ALTSTADT
ホテルも町の景観にとけ込んでいます。

フロイデンベルクの美しいまちなみは自然に残ったものではなく、修復・保存・活用をするために企業に資金協力を訴えるなど努力されたようです。
このような伝統的なまちなみを守りながら、今も全て居住されているとのこと。
伝統を重んじながら暮らしを楽しむドイツ人の気質がうかがえました。

フロイデンベルク

細い通りに面した玄関の前に、お花をいっぱい植えています。

フロイデンベルクには列車が通っていませんので、バスやレンタカーなど自動車でのアクセスとなります。
まだ観光客があまり多くないようで、ゆっくりと過ごすことが出来ると思います。
ぜひ訪れてみて下さい。

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