ロマンチック街道

日本で良く知られているドイツ観光の名所と言えばロマンチック街道ではないでしょうか。
北はマリエンベルグ城がある古都ヴュルツブルクから南は白鳥城で有名なノイシュヴァンシュタイン城があるアルプス山脈の麓の街フュッセンまで。
約350㎞もの街道沿いには中世の城や城壁都市などがいくつも残っており、まるでおとぎ話のような情景が楽しめるとしてロマンチック街道という名がつけられました。

中世の情景が今に残る城壁都市ローテンブルク

ローテンブルク

ロマンチック街道の観光名所の中で特に素晴らしい街がローテンブルク。
中世時代に自由都市として商業、工業などで大いに賑わい、まるで独立国のように繁栄した街が、奇跡的にその街並みが手つかずの状態で今でも残っている街。

ローテンブルク

街を囲む城壁は第一次、第二次、第三次と街の繁栄とともに大規模な拡張工事がなされました。
12世紀に建てられた第一次城壁は全長1.5kmほど。
1274年に皇帝ルードルフ1世より、帝国自由都市と認められた後、ローテンブルクの賑わいは第一次城壁内では収まらず、第二城壁へと拡張されその長さ2.4㎞ほどとなります。
15世紀になると第三次城壁が構築され長さ3.4㎞となり今に至るのです。

 

ローテンブルク

城壁の中に入ると石畳の道路を挟んで、ホテルやカフェが立ち並ぶ街の情景。

 

ローテンブルク

見えてきた塔はジーバー塔という名の塔。
ローテンブルクは第一次、第二次城壁の一部の塔や門が残されており、ヴァイサー塔、マルクス塔、レーダー門など、街のあちらこちらで古い門や塔を見ることができます。

 

ローテンブルク

ローテンブルク

ローテンブルク

門をぬけるとまるでテーマパークかのような街並み。

 

ローテンブルク

ローテンブルク

通り沿いには雰囲気のあるお店ばかりが目につきます。


ローテンブルク

こちらはプレーンラインと呼ばれる通り。
ローテンブルクを象徴する景観として、記念撮影をする人が多いスポットです。

 

マルクト広場とラートハウス(市庁舎)

ローテンブルク

ローテンブルク

こちらはマルクト広場と言われる場所。
中世都市には必ず都市の中心にマルクト広場があります。
マルクトとはマーケットの事で、この広場で市が開かれてたという事ですね。

マルクト広場の前に建っている堅牢な建物はラートハウスという建物。
直訳すると市庁舎になるわけですが、⽇本での市庁舎のイメージとはずいぶんと違うのがドイツのラートハウス。

単なるお役人が通って仕事をする場所という受け取り方とは少しニュアンスが違うのです。

市参事と言われる市民から選ばれた者達で、都市の行政、財政などを取り仕切っていた中世時代。
領主と対等な力をつけるべく、市参事の力はその都市の力でもあったということ。

その市参事が会議をしたり、社交会を開いたりする場所がラートハウスなのです。
いわゆるラートハウスはその都市の自由と繁栄の象徴として街一番に立派な建物が建設されたのだとか。

ローテンブルクの街を救った一気飲み対決

ローテンブルク

ローテンブルク

マルクト広場には仕掛け時計の建物があり、決まった時刻になると人形による30年戦争のエピソード「マイスタートゥルンク」が再現されます。
ローテンブルクを紹介する上でマイスタートゥルンクはこの街の文化ともいえるほど、記念日にはマルクト広場でお祭りまで行われます。
ここではマイスタートゥルンクの話をしたいと思います。

30年戦争で、新教側だったローテンブルク。
ティリー将軍が率いる旧教連盟軍に攻められて街を明け渡す事となりました。
しぶとく抵抗していたローテンブルクにティリー将軍は何度も苦い思いをさせらており、「ローテンブルクの市参事は一人残らず斬首、街の物を略奪した後、焼き払う」という決断をします。
市⺠たちは街の存亡をティリー将軍に懇願したのですが、⼀切聞き⼊れられませんでした。

そこで、市参事たちは何とかティリー将軍を和まそうと知恵を絞ったのです。
市が大切にしている「選帝侯の大ジョッキ」を持ち出し、地場産の白ワインをなみなみとジョッキに注いで将軍にすすめたところ、将軍は2杯、3杯と飲み続け、しだいに上機嫌となってきたのです。
将軍の機嫌を見計らって、元市長ヌッシュがある提案をします。
ヌッシュは3.25リットルも入る「選帝侯の大ジョッキ」に白ワインを注ぎ、この私めが大ジョッキのワインを一気に飲み干せた暁にはどうか街を焼かずに助けてください。
そうティリー将軍に申し出たのです。
ティリー将軍はどうせ無理だろうと思ったのでしょう、あっさりとヌッシュのこの提案をのんだのです。

実はヌッシュは街一番の一気飲みの達人なのでありました。
ヌッシュは見事、大ジョッキのワインを飲み干し、バッタリとその場で倒れてしまったのです。
ヌッシュの一気飲みのおかげでローテンブルクの街は救われたというこのエピソードが「マイスタートゥルンク」のお話です。

 

ドイツの美味しいフランケンワイン

ドイツワイン

さて、元市長ヌッシュによる選帝侯の大ジョッキの一気飲みのエピソードですが、ドイツと言えばビール。
なぜ、選帝侯の大ジョッキに注がれたのが、ビールではなく、ワインだったのでしょうか。

実はローテンブルクのあるフランケン地方はフランケン・ワインの名産地。
タウバー川沿いのブドウ畑で作られたフランケン・ワインはボックスボイテルと呼ばれる独特の形状をしたボトルに注がれ、ドイツ人に親しまれています。
ティリー将軍が上機嫌になるほど飲んだと言われるドイツのワイン。
一度試してみませんか?

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